口腔内の清掃

はじめに

自己流のブラッシングでは、必ず磨き残している部位が認められます。
皆さん、ブラッシングというと咬合面と頬側の平滑面ばかりを念入りに行っています。
齲蝕になりやすい部位のカバーもなされないばかりか、 歯周病の原因となる歯頸部の汚れがそのままになっている場合が殆どです。
初めてブラッシング指導を受けた患者さんは、 熱心に磨いていると自負なさっている患者さんほど、ショックが大きいものです。

磨き残しの多い部位

上顎臼歯部の頬側歯頸部・下顎臼歯部の舌側歯頸部・上下顎前歯部の唇舌側歯頸部
あとは、最後臼歯の遠心(後方)です。
ここは、いずれも歯ブラシで磨ける部位です。
他に清掃しにくい部位としては、歯間があります。
この部位は、歯ブラシでは磨けない部位です。
どんなに頑張って磨いたところで、歯ブラシで落とせる歯垢はせいぜい60%程度と言われています。
歯間ブラシ 何を使うかというと、歯間ブラシ(左図参照)や
デンタルフロス(糸ようじ)で清掃します。
歯間ブラシは主に歯肉と接触点の間の三角の部位の清掃に使います。
デンタルフロスは、歯頸部の歯周ポケットや、接触点の清掃に使います。
歯間ブラシに比べて、慣れるまでは使いにくいのですが、一度使った後はくせになるものです。
嘘だと思われたら、一度使った後のフロスの臭いを嗅いでみられるといいですね。

代表的な清掃器具と言ったら以上3つです。
これらを使用することにより、歯垢は86%程度まで落とせるようになります。

他には、電動歯ブラシ・ジェット水流を利用したもの(商品名:ウォーターピック)があります。

電動歯ブラシは、磨くべき部位に当てさえすれば、正しい動きで磨いてくれますから、
磨くべき部位をはずさなければ、優れた清掃器具だと言えます。
ただ、手磨きで磨いていない部位は電動歯ブラシを使っても磨けていないということが 現実には多く見られます。

ジェット水流を利用したものの場合ですが、水流によって歯に付着した汚れを落とすものです。
これは矯正装置等が入っている場合には便利だと思います。
ただ、歯ブラシの代わりには成り得ないものです。

いずれの清掃法も食物残渣やプラーク(歯垢)を落とすのに使う方法です。
これが不完全な場合は、歯石となります。
こうなったらもう自分で取ることはできませんので、歯科医・歯科衛生士の出番となります。

  除石(歯石除去)についての詳しい説明はこちら