保存修復

材料について

保険の適応になるのは、銀合金・ニッケルクロム・金銀パラジウム合金があります。
金合金・白金加金は保険の適用外です。
前歯・小臼歯では硬質レジンジャケット冠というプラスチックの冠を被せる場合もあります。
前歯部については、硬質レジン前装冠も保険の適用範囲内です。
乳歯では銀合金だけが認められています。
例外的に前歯部のブリッジの場合だけ14Kの金合金も認められています。

  • 金属

    保険適用の金属で、一番優れているのは金銀パラジウム合金です。
    色は銀色で、主成分は銀、金を12%以上含んでいます。
    欠点としては、歯に比べて硬いので、 年齢と共に起こる摩耗(咬耗と呼びます)とのスピードの差が出て、 咬耗の激しい歯だと金属だけが浮き上がった状態になったりする場合があります。
    他の金属は変色し易かったり、軟らかすぎて辺縁がめくれてくる等の欠点があります。

    保険は適用されませんが、金合金・白金加金は貴金属なので、安定性もあり変色の可能性もありません。
    また金合金は適度な柔らかさを持っているので、 歯と殆ど同じくらいのスピードですり減ります。
    もう一つ忘れてならないこととしては、延びが良いということです。
    これは、金属を装着した後のすりあわせによって 、境目が殆どなくなる。
    結果として、境目から始まる虫歯(二次カリエス)の予防になります。
    もう一つ、最近はチタンも使われる場合があります。
    これが修復材料として使われる場合は、貴金属に対してさえ金属アレルギーを起こす症例の場合です。
    加工しにくく、どこの技工所でも扱っているわけではありません。

  • レジン系

    今、実際に使われているレジンといえば、硬質レジンだけと言ってもいいと思います。
    硬質レジンは、色調も加工性も優れていますが、耐摩耗性に劣り吸水性があるのが欠点です。
    耐摩耗性に劣ると、長期間の使用で内部の金属が見えてきたり、光沢がなくなってきたりします。
    吸水性があると、他の食物の色が移ったりします。
    表面に付着した汚れと違い内部に浸透しているので、磨いても落ちない変色・汚れです。
    硬質レジン前装冠と、硬質レジンジャケット冠があります。
    簡単に説明すると前装冠は内部に金属で冠を作り、それに硬質レジンを盛り上げていったものです。
    こちらは前歯部にのみ保険が適用されます。
    或る程度の強度があるのでブリッジにも使用できる材料です。
    ただ前述のように耐摩耗性がないので、咬合面(噛む面)には金属を用います。
    ジャケット冠は、全部が硬質レジンでできています。
    こちらは、小臼歯部が限界です。強度がないので、ブリッジには使えません。
    大臼歯部だと噛む力に耐えられません。

  • ポーセレン(陶材・セラミック)

    言わずと知れた自費の代表です。
    使い方は色々ありますが、代表的なものはやはりメタルボンド(陶材焼き付け前装冠)です。
    これは、歯に被せ物をする場合、最初金属で被せ物を作り、 その周りに歯と同じ色の陶材を焼き付けるものです。
    吸水性もなく、耐摩耗性も優れていますが、ただ一つの欠点は衝撃に弱いということです。
    陶器と同じだと考えても良いでしょう。
    敢えてもう一つ欠点を挙げるならば、
    もし破損した場合、レジンに比べて修理しにくいということが挙げられます。
    こちらは単冠・ブリッジ・ジャケット冠・インレー・ラミネートベニアと、 どんなジャンルにでも使えます。

  • その他

    ハイブリッドポーセレン
    硬質レジンとポーセレンの特徴を併せ持つ材料です。
    それぞれの欠点を、お互いにカバーしあっている材料というのが特徴です。
    ポーセレンに比べると若干安価です。
    使うことのできる症例はポーセレンに準じます。